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再び「より子」 [音楽]

今日はちょっと真面目なエントリーです。

ちょっと前のエントリーで書いたように、テレ東のみゅーじんで「より子」の回が放送になりました。前回のエントリーではより子の音楽がどうすごかったのかを上手く書けなかったのですが、あの後、より子の作品を遡って聴いていくと同時に、彼女が生まれてからデビューするまでの半生を描いた「より子。天使の歌声~小児病棟の奇跡~」を読んでみたので、もう一度より子の音楽について書いてみようかなと。

歌手としてのより子は、時々、微妙にフラットするような感じあったりして、抜群に上手いというわけではありません。では、なぜすごいと感じさせることができるのか?
より子は「みゅーじん」の中で「明日はどうなっているかわからない。」というようなことを語っています。23歳にしてこの言葉を心の底から言える人はきっとそう多くはないでしょう。それは幼児期に小児癌を患ったことや、当時一緒に入院生活を送った友達をほとんど亡くしてること、さらには、1年半前、卵巣腫瘍が見つかり手術・入院生活を送ったことなどを通して、普通の人の何十倍も自分の生や周りの人がいかに大切なものかを身をもって知っていることに起因するのでしょう。だからこそ、彼女のメッセージ性のある歌詞は心に響いてくるような気がするのです。
ただ、そういった背景を抜きに聴いても、彼女の歌声はふわっと優しかったり、突き刺さってくるほどの力強さがあったりと、表情豊かな上、聴いていてとても心地よい何かがあるような気がします。いつだかテレビで松任谷由実の歌声にはα波が含まれていて、だから多くの人の心を捉えることができる、といっていたことがありましたが、もしかしたら彼女の歌声もそうなのかもしれません。そして、その彼女の歌声に加えて素晴らしいのは彼女自身が奏でるピアノ。もはや、伴奏ではなく、ピアノも彼女と一緒に歌っているような感じさえします。

以前にも書きましたが、もともとより子に興味を持ったのはフジテレビのドラマ「より子。天使の歌声~小児病棟の奇跡~」がきっかけです。実は、彼女が2歳にして小児癌を発病、6歳まで小児病棟で過ごしたという生い立ちは我が家の過去にリンクする部分があります。我が家の場合は偶然に偶然が重なりかなり早期に発見されたことと、比較的治療しやすい種類であったことからこの病気にしてはわずか半年という短さの闘病生活で済みました。とはいえ、この病気の怖さは「再発」です。心のどこかに「再発」の恐怖を抱えながら1年、2年・・・と過ごしてきました。だから、この病気の怖さに晒されることなく暮らしていける普通のお母さんが私は羨ましかった。このドラマが放映された当時、ドラマの原作本(より子とより子の母の共著)を本屋で手にとって見たのですがどうしても買うことができませんでした。それは、より子と一緒に闘病していたお友だちが亡くなっていく際の描写が怖かったから。発病から丸7年が経過し年1回のCT検査も免除されるようになった今年、再びより子に出会いこの本をようやく読むことができました。読んでみてわかったのは、この病気の子のお母さんは皆同じことを思うんだな、ということ。なんと、個室から大部屋に移る際に「ちょっと、めんどくさいな。」と思っていたところまで同じでした(笑)。ようやく私の気持ちをわかってくれる人に出会ったような気がしました。でも、より子のお母さんのすごいところは、退院した後のより子が学校に行かなくても彼女の才能と生きる力を信じていて彼女なら大丈夫と思っていたこと。これは母親として見習いたいところです。とはいえ、そこが一番難しいところでもあるのですが。

そんな背景もあり、私はどうしてもより子に肩入れしてしまう感がありますが、彼女には音楽業界のビジネス面に振り回されることなく、より子にしか作ることができない音楽を彼女にしかできない方法で表現してくれたらと思います。そして、病気と闘う子どもたちやその家族にとっての希望であってくれたらいいなとも。

second VERSE

second VERSE

  • アーティスト: より子
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/02/15
  • メディア: CD

1/16にはニューアルバムが発売になるそうです。セルフプロデュースの曲が1曲あり、mixまでより子自身が手がけたとか。今からとても楽しみです。

より子。天使の歌声―小児病棟の奇跡

より子。天使の歌声―小児病棟の奇跡

  • 作者: 小笠原 路子, 小笠原 より子
  • 出版社/メーカー: フジテレビ出版
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 単行本


 

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コメント 2

こんばんは。
そういうバックグラウンドが、あったのですね。

真実を、というか、実際にくぐって来た者でないと身に纏う事の出来ない強さを、より子さんの音楽には感じます。

でも、その強さは、実はお母さん譲りだったのかな?
お子さんがそんな状況下で、それでも自分の娘の将来を信じることが出来るなんて。

そのお母さんが信じた運命は、多分同じ病の子供の希望になることではないのかな?なんてこと、考えたりしました。

どっちにしても、音楽業界のしがらみに潰されないで欲しいですね。
by (2007-11-20 22:32) 

Mammy

まーきん様>
nice!ありがとうございます!
>でも、その強さは、実はお母さん譲りだったのかな?
そうかもしれませんね!
そして、娘を信じる力は自分の生きる力にもなっていたのかも、とも思います。

より子はギターやベース、ドラムなどを独学で覚えた他、レコーディング技術なども勉強しているようで、これから彼女の才能がどう花開いていくのか楽しみです。周りの人たちが彼女を上手に育ててくれるといいですね。
by Mammy (2007-11-21 16:13) 

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